ほくろとメラノーマ(悪性黒色腫)
ほくろとは
ホクロは医学的に『母斑細胞母斑』や『色素性母斑』とよばれています。通常は黒~褐色ですが、頭部にできたホクロは色素がぬけているものもあります。毛が生えているものも多いです。生下時からあるものもありますが、後から出現してくるものがほとんどです。
メラノーマ(悪性黒色腫)とは
ホクロは良性のできものですが、ホクロのガンである『メラノーマ(悪性黒色腫)』は、早く適切な治療を行わないと命に関わる悪性度の高い皮膚ガンです。ホクロの癌なので通常は黒っぽい色をしていますが、日本人には、色素の少ないメラノーマ(amelanotic melanoma)も多いと言われています。
物理的な刺激が原因とされ、足底にできたホクロはメラノーマとの鑑別が重要になります。近年では紫外線の関与も注目されています。
メラノーマとホクロの違い
メラノーマは以下の点でホクロとの見きわめが一応可能です。
・いびつな形であること
・色のついた部分と肌の境界が不明瞭であること
・色(Color)が不均一であること
・直径(Diameter)が6mm以上あること
覚えやすいように、これらの頭文字をとってABCDと言われます。しかし実際はABCDを満たさないメラノーマも多いため注意が必要です。ほかにも出血があったり、急激に拡大したりするホクロは要注意。必ず専門の皮膚科を受診しましょう。
ホクロの皮膚科専門医による診察
ダーモスコープという特殊な虫眼鏡でホクロを診ることで、より確実な診断が可能です。もちろん当院でも可能です。それでも不確実なホクロは、切除して顕微鏡レベルで構成細胞を調べる病理診断をすることもあります。いずれにしても、気になるホクロは早めに皮膚科専門医に診てもらいましょう。